RICOH AUTO HALF SE
ハーフカメラ?って呼んでいいのかな。35mmフィルムを使用するカメラだが、撮像面が通常の35mmの半分、要するにハーフなカメラである。他にもOLYMPUS PENシリーズやCANON Demiなどがある。フィルムが高価だった時代に旅行先でスナップ写真をたくさん撮る。ファミリーユースには高いフィルムを何本も買って持ち歩くのは、邪魔でもあったし、コンパクトで持ち歩きが楽なこんなカメラ達が主役であったろう。
通常の35mmに比べて写真1枚がフィルムに占める面積は半分。24枚撮りフィルムなら48枚。36枚撮りならなんと72枚も撮れるのである。まあ、現在のデジカメであれば、16GBとか32GBのSDカードなら何百枚と撮れてしまうのであるが、実際デジタルには賞味期限はないだろうが、アナログフィルムは光に感光して薬品を使った化学反応で現像するものであるから、保存状態によっては劣化が大きく進んでしまう。ならば、これぐらいの枚数撮れれば十分であろうと誰かが考えたのかどうかわからないが、絶妙な設定であるとも感じるのである。
撮像面積が通常の35mmの半分であるから当然画質は落ちる。しかし、スナップで手札や大きくてもキャビネサイズに引き延ばすのであれば、それほど気になるものではない。35mmの一眼レフなどは高級機であったであろうし、以降「バカチョン」と呼ばれるようなシャッターを押しさえすれば写真が撮れるというファミリーユースのためのコンパクトカメラへの第一歩ではなかったろうか。日本の経済成長期の家庭の幸せを象徴するようなカメラ達であると思える。
また、デジカメが当たり前になった現在、撮像素子の大きさの企画でマイクロフォーサイスは、35mmフルサイズの1/2。ハーフなのである。OLYMPUSがなぜ、penという名前でマイクロフォーサイスミラーレスを出したのかは必然。
このオートハーフはまず、形にヤラれる。古いコンパクトなフィルムカメラ一眼レフやレンジファインダーでなく、目測パンフォーカスのものは個性的な形のカメラが多いと思う。
このオートハーフも60年代の未来志向のデザインだったのではないか?今見ると、レトロフューチャーでかわいらしくもあり、かっこ良くもあり、秀逸なデザインだと思う。
そして、今ではなんだかな〜と思ってしまうゼンマイ式フィルム巻き上げ機能。しかし、こんな発想は好きだ^^
そして、見た目以上の実力を発揮するのがこの頃のハーフである。想像以上によく写る。色の感じは、どうしてもやや色味にかけるあっさりとした昭和な感じだが、条件さえ良ければ味のある写真が撮れてしまうのである。
ただ、フィルムを入れて48カットを撮るというのは、なかなかで、ある種の修行のように感じるのだ。
Good Luck!